ネットワーク上で全員が「承認」ボタンを押して決裁する稟議システムがとても面倒
おそらくいろいろな会社で似たような仕組みがあると思う。
ある製品の開発、外注、M&A、新規顧客の稟議。
その他、会社の方針や財務上直接影響を与えないものでも、統制上役職者が何人か承認ボタンを押して決裁するもの。
このように役職者が並び、ある案件をネットワーク上の共有サイトで確認しそれぞれが承認していく。
ー回議者ー
安倍晋三(総理大臣) 「承認」3月18日
普通の仕組みではあるが、かなり困ったポイントが出てくる。
①微妙なラインだったり、申請者がエライ人だと誰も反対しない
統制のためのフローであり、いろいろな見地から確認すべきもので、判断基準がわかりやすければそれなりに上手く働く。
「〇〇地区の工事を△△建設に□□円で行わせる」
岩城光英(法務大臣) 「承認」入札手続きが適正であり問題なし
麻生太郎(財務大臣) 「否決」前年度の関連工事に照らし著しく高額で理由が不明
しかし、
「申請者 安倍晋三」であった場合
岩城光英(法務大臣) 「承認」入札手続きが適正であり問題なし
このように、反対すべきかもしれないが誰かが反対すればいい、自分は反対して申請者と口論になりたくない・・・という思いが生じ、とりあえず承認でいいか、となることが多い。
忙しい中、各自が一人で考えネット上でOK,NGを決めないといけないのでこのようなことが起こると思う。少し違和感があれば、数人で手を組んで否決するしかないのだが、この3人のうち誰かの行に「否決」がつかないといけないのがいやらしい。
それぞれの人の行に「否決」と入れず、新しい欄に否決コメントが入るような仕組みが必要である。
② 一人でも否決したらアウトなのに、新たな行動、新たな投資をすべきかどうかの案件が申請され、本来実行すべきにもかかわらず止められやすい
「日本の農業は競争力が弱い例が多く、TPPに参加するとそれらが破産する可能性も高いが、消費者視点や日本全体の経済活性化を考えればTPPに参加すべきである」
こうなることは目に見えている。
結果、申請元の部長、課長、担当者などは、会社としてやるべき仕事を進めている場合であっても、利害が不一致となるエライ人の説得に時間を削がれることになる。
これもまた、相談する場もなくネット上で各自考える欠点に思える。
利害が不一致になり、反対したい人はそれらしい理由を、エライ立場から言ってきてかなり手ごわいが、はっきり言って核ミサイルを開発する北朝鮮への経済制裁に、中国とロシアが拒否権を行使してしまう状況とだいたい一緒だ。
とりあえず、管理部門に属する自分としては、承認派のエライ人に声をかけて、申請元の人と協力してさっさと仕事を進められるよう、手伝ってあげようと思う。