1−5年目経理経験のまとめ③会計システム

 
売掛金)100(売上)100
(現預金)100(売掛金)100
この単純な計上をするために、営業担当が受注売上登録したデータや、それに対応して経理が管理する債権管理データベースから大量のデータを持ってきて集計する、、というのが、②の基幹システムの話になる。
おさらいになるが、もともとは得意先別にいっぱい売上があって、売掛があって、銀行口座のオンラインバンキングで振込元と金額のリストを見て、どの売掛がもう入金されたか確認したりして、いくら2つ目の仕訳を入れるのか集計している。
 
 
経理として配属されて初めの方に説明されるのは、そうやって集めてきたデータをエクセルにまとめ、それを元にさあ、会計ソフトにはこうやって入れるんだ、という話になるのかなと思う。
 
(例)
売上: AMAZON売上分 XX円
   楽天市場分    XX円
   YAHOOショッピング分 XX円   合計:ZZ円 ←これを売上計上
 
雑貨店なら上記のようなサマリーかもしれないし、でかい会社だと製品モデル別とか、売上基準別(製品売上・サービス売上・金融売上など)、部門別(A事業部売上、B事業部売上とか、大阪営業所売上・東京営業所売上)などという分け方が想像できる。
 
この、集計後の値を会計ソフトに入れていくが、例として以下。
 
SuperStreamしか触ったことがないが、初めて触ってみると、単に(売掛金)100(売上)100 という仕訳をノートに書いて勉強していたことが、
起動→ログイン→会社選択→仕訳→仕訳入力
というメニューをたどることに気づく。
他にも、試算表、元帳などがあり、一通り触ってみる。
 
 
・会社選択
大企業に対応できるソフトならおそらく出てくる。会社選択、というのは、〇〇ビジネスエキスパート株式会社、〇〇会計サービス株式会社、などといったグループ会社の事務をまとめて行う会社あるいは部門が多いため、仕訳を入れたり試算表を見たりする会社を選ぶプロセスが入る。
 
ちなみに会社は決められたコードで入力するようになるが、
1000 〇〇株式会社
1010 〇〇システムズ株式会社
1020 〇〇ソリューションズ株式会社
1030 ◯◯販売株式会社
2010 アメリカ〇〇株式会社
2020 〇〇有限公司
 
といった感じで割り振られたコードをある程度覚えることになる。
これらのコードは、初めはあるていど秩序建てて順番に数値を振っていくのだろうが、どのみち閉鎖したり合併したり設立したりしてどんどんバラバラになっていくので、覚えやすくはならない。
多くの会社では4桁、しかし電機メーカーなど、様々な技術で様々なビジネスを狙っている(言い方によっては、次々に手を出してどんどん撤退している)会社は連結グループ会社数が500を超えるところもあり、そうなると番号が枯渇しそうになるので5桁の会社もあるようだ。
 
・仕訳入力
簿記の知識があれば、科目コード(10010001が現金で1002001が売掛金だとか)というのが色々設定されていて、計上日と科目と金額を入力すればいいことが大体わかる。
 
他にも、外貨、税区分、支払先コード、摘要、部門コード、プロジェクト、
様々な入力欄がある。
初めて見たときは、「何を入れればいいのか?全部埋めないと!」という気持ちになったが、実際にその会社でどういう集計を後でしたいか?によって使われたり使われなかったり様々であるが、特にニーズの多い項目が上述のように実装されていると思えば良い。
 
外貨:仕訳金額は全て円建てだが、ドルだといくらだったか?等をおそらくかなりの会社で入力しているのではないかと思う。
   外貨取引だと消費税とかも変わったりするし、後で決算日ごとに評価替えするときとか、海外の子会社がいくらで払ってきたっけ?とか色々みる機会が多そう。
 
税区分:主に売上とか仕入れで入れる。土地の取引だから非課税とか、海外との取引だから不課税とか、最近だとこれは8%消費税でこれは5%消費税とかを入れる。100売上に対して仮払消費税ちゃんと8計上したっけ?とか、後で確定申告するときに、非課税取引の売上どんだけ計上したっけ?8%の分はどんだけ?とか確認するのに使うんだったと思う。
 
支払先コード:買掛未払あたりに入れてたと思う。支払先別にいくら残高があるかは、期末に計算書類を作る際に勘定科目内訳明細書で書くことになり、確定申告でもそれを提出するし、監査でも残高確認がくることもあるし、連結グループ間の取引かをこの項目で判定し内部取引消去に使う。
 
摘要:”◯年度××見積もり計上””XX社広告費支払い”等の適当な説明をかく例がほとんどと思われる。
   ただし、会社や部署によっては、「売上の仕訳入れるときはその売上部署の番号を入れましょう」といった独自ルールを決めて、後で元帳をCSVで出して集計するとか何か処理に使う例もあるみたい。
 
部門コード:給与とか旅費交通費とかの経費系を入れるとき、部門コードを入れて、のちに配賦計算に使う。(簿記2級の部門別計算のところ)
 
プロジェクト:使っているのは今のところ見たことがないが、色々な経費について同じ部門でもプロジェクトごとに費用を集計したいとかいう場合に使うと想像。(ただ、いちいち会計ソフトでやらずにエクセル等で集計する場合が多いように思う)
 
 
・総勘定元帳
 →大体簿記の通り。仕訳を入れたら入ったことを確認もするし、決算を締めるときに、債権管理システムの売掛金リスト合計と総勘定元帳の売掛金残高があっているか?を確認して上司のハンコをもらって保存して内部統制やら監査やらで見られるというパターンが多いと思う。
 
・残高試算表
 →大体簿記の通り。決算のたびに印刷とかCSVで出しておいて残高をチェックさせられることが多い。
  会計システムをアップデートしたり設定を色々変えたときにCSVを出して変に動いてないかチェックさせられることも多い。
  会計士やらに提出を要求されることも多い。
 
・その他帳票系
  損益計算書貸借対照表といった形で出力できる。なんとなく使わない会社が多いと想像。
  決算書は結局月ごとの前年比が見たいとか予算対比が見たいとか四半期計で見たいとか年度累計も載せたいとか色々出し方は変えたくなることも多いので、会計ソフトの決まりきった仕様で対応しにくく、CSVに出した試算表をエクセルでいじってPLにする方が変えやすくていいからだと思う。
 
 
いち経理・決算担当としての内容は大体このくらいだが、どちらかというと設定項目(科目マスタ設定等)の方が思い出があるような気がして、別途まとめることにする。