かみー経理方面の話

2013大卒→従業員数千人&非上場で5年くらい そのあと数万人&上場で経理をした感想をまとめてみるところ

2018.8.1 SAP ARIBA LIVE感想

今更ながら、夏のSAP ARIBA(SAPの、購買関連ソリューションのセミナー)に行ったメモと感想を載せる。

 

↓このやつ

www.sapjp.com

 

 

◆各講演メモ(7件)
 
8月1日(水)10:00 ~ 10:45
【ソリューションハイライト】How to Use Ariba with ERP
  SAP購買ネットワーク事業本部の人からー「100m10秒を切れない4人が400mリレーを37.6秒で走れるように」SCMを
 ・SAP HANA等のERPで、自社の情報はまとめて整理されたが、社外の関わりはバラバラのままーForecastをサプライヤに送ったりするコミュニケーションや日々の手配業務など。
 ・調達コストは当然設計段階で決まり、そこの設計部門との難しいコミュニケーションに時間を割きたいが、効果の低いはずの生産フェーズでのコスト削減(品目も多いし見積・交渉など手間が多い)に時間を取られる
 ・製造のアウトソースは進んでおりグローバルで工程の32%が委託されている ただしサプライヤに対する可視性が不十分と考える会社は65% 顧客オーダに対する可視性が不十分と考えるベンダも70% “Forecastのバトンがうまく渡せない”  ブルウィップ効果ーサプライチェーンを川上に登るほど需給のずれが大きくなるーみんながバッファを取りたがるため。
 ・発注用に独自のポータル。一部の会社とはEDI。設計システムにも調達と似たようなBOM情報を入れたり。
  このバラバラをまとめて、サプライヤとのコミュニケーションを行うツールが SAP ARIBA。ERPシステムの一部というよりは、ERPと連携された部品のマーケットプレイスのようなもので、すでに多くのサプライヤ・バイヤーが参加している。仕入先マスタを登録するのではなく、参加しているサプライヤとその部品を検索し選定し購入する。コンデンサなら何Ω、等品目によって必要な情報項目を持っていて探せる。バイヤ・バイヤの生産委託先・運送業者・部品メーカー みんながARIBAに入ることによってリアルタイムに連携のためのステータスが共有される。
 
 
8月1日(水)11:00 ~ 11:45
日本企業における調達課題と調達改革のベストプラクティス(Accenture
・直接材は購買システムで安定しているが間接材の購買は個別の経費精算等になり問題がある−バラバラにいろんな部署で買う 担当レベルで仕入先選定 どこでいくらくらい買ってるか全体像が見えない 業界について仕入先の方が詳しく交渉しても太刀打ちできない 調達ポリシーも全社で統一できない
・解決のためにー分野ごとの主管を決める(備品系=総務が全社チェック IT投資=IT部門等)、できるだけカタログ調達に寄せる
・会社によっては、消耗品1つ1つまで購買が必要量決めて、みんなはそれの枠内で使う会社も あるいは値決めだけ全部購買がやって各部門は数量だけ決めるとか
 
8月1日(水)12:00 ~ 12:50
【カスタマーパネル】"Procure with Purpose" ランチセッション 購買活動の真なる目的とは?
 
 JXTGの購買部門長:石油精製の設備?等の調達 「一人勝ちしないこと」「Operationalな仕事でなく持続的にコストが減るように・・・”サプライチェーン全体としてこれでいいのか”」「グリーン購買・CSR→サプライヤへの説明会など」
 
 日東電工の購買部門長:「単なる購買からCSRの担い手、グリーン調達、業務改革」「2017/6ARIBA導入ー自分のやり方に合わせたシステムから、業務を合わせるように」「日本が一番”なんで今までできていたことが新システムでできないんだ””なんで変えるんだ”と文句をいうが、蓋を開けてみれば日本が一番ちゃんと運用しているものだ」  ARIBA導入して調達をそこに集約することにより、購買通過率が+30% 現在は、成果というほどでもないが、どう買っているのか?の全体像が見えてきて、改善アイデアがどんどん出てきている状態。
 
 ライオンのマーケティング担当:日用品消費財ー国内ではこれ以上売上は伸びない→マーケティング、広告も使ってナンボという側面はあるが、コストを管理して利益を出さないとという流れに会社がなってきた。広告にいくらかけて、どれくらい成果が上がるかは属人的に決まるところがあり、管理も必要ではないか?と。もともと広告代理店勤務の経験があり、サプライヤの手の内も知っている、とのこと。(電通の問題が最近あったが、あれはクライアント側のリテラシー不足もあると考えている・・・パートナーとして付き合う意識が低く、タイミングの悪い無茶な要求など。)広告代理店の後、欧州車メーカーを経てライオン。SAPの人から「なんで辞めたんですか?」→変えられるところと、あくまで日本支社なので変えられないところもあり・・・これ以上は前職の方も今日来られていると思いますので(笑)  「購買は、これからデータ活用も増えてセクシーな仕事になる」←大事なことなので2回言いました
 
 
8月1日(水)13:00 ~ 13:45
世界の間接税計算のオートメーション ~SAP Aribaと密に連携するソリューションのご紹介~ トムソン・ロイター
 
世界の税は直接税から間接税にシフトしているー間接税は「取りやすい」税
日本にいると消費税一発なのであまり心配がない(2019/10から軽減税率導入とはいえ)が、海外は大変。
 
アメリカ:15000を超える税管轄区域、州などによって各地異なる税制
EU :11のルール、国ごと、614,000を超える租税の組み合わせ
ブラジル:世界一複雑な税制 毎日1、2件税制改正があり、ホテルで前金を出そうとしたらチェックアウト時に税金が違うかもしれないからダメ、という話も・・・?
インド:GST導入も対応追いつかない企業多い
日本:税制のパラダイスだ!
 
間接税計算のエラー率は3%ほどと言われており、世界の間接税は平均15%(アジア平均は5.5%だが)からすると売上1000億に対して数億円レベルのエラー。未納は200%払わされたり最悪刑務所入ったり、一方過誤納は当局から「なぜ返す必要があるのか?」と質問攻めにあいなかなか戻って来ない・・・
 
そこでSAP ARIBAと連携するソリューション「ONESOURCE」世界各国の税制を覚えており、購買データから適切な税額を計算します。
 
終盤のスライドで下に小さく「*ブラジルについては未対応、今後対応予定」 さっきブラジルが世界一複雑で大変って言ったやん・・・
 
 
8月1日(水)14:00 ~ 15:20
ご挨拶 特別講演 基調講演 The Journey Has Just Begun 等
 
SAPジャパン社長 福田譲 
カカオのお店”DARIK”(ダリ・ケイ)・・・京都にあるチョコレートのお店です。カカオの世界的な生産量2トップは、ガーナとインドネシア。しかし日本に入ってくるカカオのほとんどはガーナ産です。インドネシアのカカオは精製も適当で品質が悪く、購入する側も安ければそれでいいと考えている節があります。しかしDARIKのカカオは、インドネシア産。
インドネシアに出向き、いいカカオの作り方まで現地に指示し、そこで高価格での買取を約束し、”最高の手作りチョコレート”を提供しています。
購買の仕事の本質がここにあります。「こういうのを私たちが作れば、それが価値だ」をみんなで共有する仕事です。営業以上に、トップラインに貢献できる仕事でもあります。
 
続いて出てきた(株)クレアン 玉沖さん クレアンはCSR推進や、CSRができてるぞというレポートを作る会社。購買が、フェアな取引をしてCSRの役割を担う・・・
 
コカコーラの元CPOビル・ホビス(チーフ・プロキュアメント・オフィサー):ベンジャミングレアムは言った・・・Costはお前が払うもの、Valueはお前が手に入れるものだ。購買とは会社に何をenableさせるかってことだ・・・単なるCost savingじゃない。(と、ふんぞり返って足組んでなんかデカイこと言ってた)
 
武田薬品工業の調達の人:買収に次ぐ買収・・・でも各社のプロセスは前のままバラバラだった。購買のPriorityが低かったが、やっと全社の購買改革をという雰囲気になった。集中購買、シェアード、急に外から専門家やCPOを入れて急にダイバーシティが進み、新卒至上主義の武田では購買は”浮いた”部署になった。
「購買の地位が上がらない限り、購買改革はムリ。地位が上がって、他社で購買改革の経験がある人がきたからうまく行った」
「いかに海外に日本をわかってもらうかが大変だった 日本人はネガティブだと思われないように注意」
 
8月1日(水)15:35 ~ 16:20
IBMが考える間接材購買改革の進め方とSAP Aribaの活用
 
2016−2022で購買のBPOは一番成長が見込まれる(144% 経理は118%)
 
IBMのGathner:「偉大な企業では売上の伸びより利益が伸びているー利益率と経費を巧みに管理しているからだ」→とにかくコストの可視化が第一
 
Why Ariba?
  ①Process coverage 上流下流とのコミュニケーションまで統合
  ②Supplier Network サプライヤが参加して入ればサプライヤごとに新たに探してマスタ登録してEDI繋いでしなくていい これ自体が売り手買い手のマッチングサービスでもある
  ③Saas クラウドで機能追加も早い
 
ワトソンの活用:Cognitive Buy Assistant(何が買いたいのか音声・画像で推奨品を提案) Contract Analyzer(契約書を過去や例と比較分析し、抜け漏れやリスクを自動指摘)
 
 
8月1日(水)16:35 ~ 17:25
カスタマーセレブレーション・クロージング
 
・画面を見ながら解説・・・ショッピングサイトのような購買調達ページを作って社内で使え、ERPとも連携。各国の規制やニュースなど調達先のリスク情報もダッシュボードに。
 サプライヤが参加してくれるのか?:FACEBOOKの登録のように簡単に参加でき、その時点でFEEは発生しない。
・最後のあいさつ
 
 
 
◆感想
・事前予習「購買部門とは」などと検索。
 
「調達・購買とかっていうところは、コンドームと同じだから」「無いに越したことはない。ただ、あるなら存在感は薄いほうが良い」
結構よく言われている例えのようだった、何だその例え・・・(経理の例えは以前の先輩が言っていた「ゴールキーパー部署」がお気に入り。営業の売上登録がミスろうが経費精算依頼がミスろうが決算の間違いは全部経理が止めないと責められるという意味)
 
それくらい、開発設計等の部署にとって購買は、大したことをやってないイメージを持たれている。
確かに、同じサプライヤと癒着し、考えているのは「今年は2%くらい下げてよ」などとコストを交渉で下げることくらいで、そもそも設計側からくる仕様書が特定のサプライヤを前提としたものだったりする。
 
SAP ARIBAは1996年に設立された会社で、2012年にSAPに買収される。電子購買で世界一のシェア。電子請求書管理。
 
 
IBMのコンサルが、「10%くらいは削減できますね・・・」などと言っていたが、石川で地場の部品メーカに囲まれた会社にそれをいうと誰も喜ばないのではないかと思う。アクセンチュアも、コンサルがベンダと交渉しに行く場合もあると言っていたが・・・”差し金”という感じで会社の仲が悪くならないか心配。どちらかというと”Sorry, I broke your company”のようにコンサルはそもそも会社と目的を同一にしないから余計なことをやるイメージを持ってしまう。せっかく会場で、購買はサプライヤと一緒に経営戦略を考える部門だとかかっこいいこと言っているのに・・・、概ねみんな現状の数%コストが減りますよって、経営ってそういうことじゃないよね・・・  Aribaのメリット解説はわかりやすかったが
 
・時々流れるSAPのビデオ。外国人がアルプスの頂上とか草原のど真ん中で”今は、この瞬間しかないんだ・・・”とか謎のポエムを言うだけで、ほんと何なんだろうか。今回もらった資料はSAPのパンフレット1冊だけなのだが、そこにも「目的意識」「より良い社会」・・・ユニセフの募金チラシと一緒。
 
・やっぱり、Aribaによっていろんな情報共有が進んで手間も減るというのはあるだろうが、調達したいコモディティが決まったら、参加しているサプライヤが一覧表示されてすぐ仕様と価格を比較検討できるというのは、素晴らしい反面まだ怖さもある。「スペックが良くて安いからみんな携帯はファーウェイとAsusに決まりだね!」ってそんな短絡的な購買で幸せになれるのかと思う。
 
経理でFintecが話題になっているように、購買でも各サプライヤ・バイヤが集ってショッピングサイトのようにやり取りをするというのは大きい可能性があるなとは思う。会場でどうやってサプライヤに参加してもらうのか分からないし料金も見えないからRealityがないとか質問していた人がいたがその通りだと思う。そんな中でAribaをすでに導入し、購買情報をほぼ一元管理できかけている日東電工は、さすが先進的なグローバルニッチトップ・カンパニーだと思う。調達先なんて尾道豊橋の地場メーカーも多いはずなのに・・・
 SAPの人は、「EDIは大企業しか使えておらず14社だったのが、SAPAribaは60社と連携できた」というがそのハードルの低さは何なのだろうか?
 
以上