「MBAのためのERP」を読んで ーERP導入を検討するにあたって考えたこと
1つ目
会社が利益を出し続けるための条件として、
①市場や顧客のニーズを適切に把握する
②ニーズに合う商品を作る
③競争優位をもたらす差別化を実現する
④競合他社より高い品質、低いコストで製造する
⑤製造した商品の市場を維持拡大するためのマーケティングを効果的に実施する
⑥顧客のアフターフォローを十分に行う
⑦顧客からの苦情に迅速に対応するとともに再発防止や未然防止策を実施する
この時点では、正直他の本を読んでなんとなくそりゃそうだという感じだった。
2つ目:会社にどんな各業務があって、どんなことをしたいか知らない限り
3つ目:ERP導入の失敗シナリオ、成功シナリオ
計画フェーズ
失敗:ERP導入目的(どう業務プロセス改革、標準化し経営をよくするか?)が全社で不明確なため
全社最適化ができない
成功:トップダウンによる導入目的明確化で意思決定が早い。
要件定義設計〜構築フェーズ
失敗:明確な経営戦略とスコープなし、現場レベルでの改善のみ、現システムの使い方に固執→仕様が決まらない、標準化できない、現場の抵抗が多い
現場の参画と現場への啓蒙教育が不十分→モノの動きとデータがあっていない、システムが使いにくい
成功:不適合部分も一部は割り切り、各ユーザ部門に改革の旗手がいる
要件の1つ1つについて根拠が明確、ERPの機能や他社事例をフル活用
稼働フェーズ
失敗:経営戦略立案と検討のプロセスが確立せず。自社の強みの認識なし→ERPのリアルタイムな情報が活用されない(どう活用していいかわからない)
成功:ERPを導入してどう経営に生かすかを継続的に追求→必要なデータと活用法が明確でデータが即対策立案に活かされる
ERPの使い方や役立ち方は書いていなかったが、本から直接思ったのは次の2点、
・経営目標に即したERP導入目的があり、「このために導入するぞ」が明確で、その達成のためには今までの(イマイチだけど安定した)業務を捨ててみることが必要、と、全社員を説得できなければならない。
・目標設定が甘ければ、「こういう特殊な業務があるから無理」と言った保守的な意見に負けて導入に失敗する
というのが初期段階で一番大事
これを踏まえてやりたいこと:
・なんのために導入するのか、プロジェクトが申請された時の資料を見て知る
・とにかくいろんな業務を知る、業務手順書があれば見てみる、導入検討時に多部署との連携をどうするか考えるなら見にいって考える→各業務がどれだけ「本質的(マジ)で価値ある」業務なのか?その評価方法が本当にいいのか?ERPに実装されているこれを代わりに使えばいいのではないか?を、自分で考えられるようになる。もし必要性が怪しく、それが導入のネックになりそうならとことん廃止させる。
(前年と比較しにくい数値ができるから変えたくない。初めての機能を使って、もしミスがあると困るから変えない。←このような意見で導入が止まるくらいなら、もともとERP導入は無理ということだと思う)
・ERPは、システムでそのまま会計に連携し、経理担当が自分で考えて仕訳を入れる余地は少ない(多分)
これは、自社開発システムとEUC(アクセス、エクセルとか)でやるのと比べ、明瞭な経理が期待できると思うー各製品別の損益がリアルタイムで計算されていき、間接費の配賦は(割とざっくりしてしまうのは仕方ないが)システムに入っていて毎月更新される配賦基準を元に負担割合を決められ、各ビジネス別の損益が”そのまんま”みんなに見られる状態になる。あるいは配賦基準が決められないものは無理に配賦せず、数値の流れが単純になってそのまんま一定の科目に計上される。自分のビジネスの費用は何かすぐ確認できる。
「そのまんま経理」「そのまんま情報共有」「そのまんま経営判断」につなげるのが目標だ。
今度はまたこれも読もうと思う:ITシステムの罠31: システム導入・運用で絶対に失敗しないための本
以上